2016年『発酵する地平』

【テーマ】「発酵する地平」

かつて、糸島に限らず日本の家には、肥溜めがあり、その肥を畑に使っていました。いまは、下水道整備や汲み取り業者のおかげで、排泄物が食べ物の栄養になるということも見えてきません。汚いものは見えない場所に遠ざけられて、人間の排泄と自然の再生との循環が、断絶しています。そこで私たち芸農メンバーは、排泄から再生の過程の「発酵」に目を向けました。例えば、田んぼや畑に必要な堆肥は、動物の排泄物などの有機物が発酵することで分解されて、作物の生育に必要な土の養分になります。ところが「発酵」と「腐敗」は実は微生物の分解作用という点では同じで、<結局、人類に有益なものを発酵、有害なものを腐敗と呼んでいるに過ぎない>とのことです。このことは世の中に対する美術や表現の作用と似てると思います。例えば、過疎化や高齢化など、活力を失う地域の中で、美術や表現がどんな役割を果たすのかを考えたとき、美術・表現やアーティストが微生物のように作用することで「発酵」を起こすことができないだろうか、と考えました。人によってはそれが「腐敗」に見えるかもしれない。でも、腐敗なのか発酵なのかは、そこで作用する表現や活動次第ではないか。力が足りなければ腐敗に、力があれば発酵に。そこを、敢えて見せていこうという試みです。

【会期】2016年10月22日(土)23(日)29日(土)30日(日)

【時間】11:00~17:00

【入場】1,000円(小学生以下無料)

【会場】福岡県糸島市二丈松末、深江地区

【主催】糸島芸農2016実行委員会

【助成】アサヒ・アート・フェスティバル2016

【協賛】Studio Kura

【後援】九州大学大学院芸術工学研究院、九州大学ソーシャルアートラボ

【ゲストアーティスト】眞島竜男

【トークゲスト】ドミニク・チェン

【参加アーティスト】
眞島竜男(アーティスト)
渭東節江(アーティスト)
永武(美術家)
江上賢一郎(アート アクティビズム研究)
大澤寅雄、手塚夏子、大澤季林、加賀田憲治
片山雅史(画家・美術家)+MBP(松末Boys & Girls)+KUKL
勝正光(画家)
河合拓始(音楽家)
黒崎加津美(美術家)
杉原信幸(美術家)
鈴木淳(現代美術家)
伊達麻衣子(ダンサー、振付家)
手塚夏子(ダンサー、振付家)
平川渚(美術家)
藤浩志(美術家)
牧園憲二(映像、美術)
Studio Kura(アートカンパニー)
Studio Kura絵画造形教室(こども絵画造形教室)
Anne-Sophie Guillet(ベルギー)
Carla Cañellas(スペイン)
Charlotte Clermont(カナダ)
Guy Sherwin(英国)
Jordan Gower(オーストラリア)
Lilly Buttrose(オーストラリア)
Lynn Loo(シンガポール)
Novemto Komo(インドネシア)
Prasanta Kumar Kolay(インド)
Stefano Buro(イタリア)
Thomas Hoeren(ドイツ)+工房MUKA(福岡)
九州デザイナー学院アーティスト学科

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